「矯正治療をすれば顎関節症は治りますか?」といったご質問をいただくことがあります。
噛み合わせの悪さが原因で顎関節症になってしまっている場合は、矯正治療をして噛み合わせが改善することで症状が改善することはあります。
ただ、顎関節症の原因となるのは、噛み合わせ以外にも様々な要因があります。
ご自身の持っている癖や習慣を直したり、生活するうえで顎関節や筋肉に負担がかからないように注意したり、または症状に対する適切な対処をすることでかなり軽くなる可能性があります。
以下に日常生活における注意事項をあげますので、現在症状で悩まれている方は、ぜひ意識してみてください。
①歯の食いしばりを避けてください。
顎関節症や筋肉に痛みがある場合は、重いものを持ち上げる等の歯をくしばるような動作は避けるようにしてください。
②顎の急な動きや大きな口の動きを避けてください。
あくび、くしゃみ等の発作が起きた時でも、急激に開口しないように顎に手を添えるといった負担防止に努めてください。
③顎関節のある耳の前、顎への圧迫を避けてください。
長時間の電話やうつぶせ睡眠、頬杖は顎関節に対して負担を大きくするので避けてください。
④姿勢の改善に努めてください
顎を突き出したり、猫背の姿勢は顎や首や肩の筋肉に負担をかけて顎を動かす筋肉にも 緊張を招くので気を付けてください。
⑤精神的な緊張をやわらげるように努めてください。
仕事等による心理的緊張は全身の緊張感をも高めることから、長時間にわたる緊張により痛みが強くなる場合があります。緊張をときほぐすためにも、適宜休憩をとってください。
また、ゆっくりとした水泳やジョギングといった全身運動は全身の筋緊張をほぐすので、定期的に実施することをお勧めします。
⑥かたい食事を避けてください。
痛みが出ている間は、やわらかい食事をとるようにし、長時間にわたってかみ続ける事は避けてください。
例:おかゆ、うどん、スープ、柔らかい煮物、ヨーグルト等
⑦あおむけで寝るようにして下さい。
顎関節や筋肉へのよけいな負担をかけないためにも、うつ伏せあるいは横向きで寝るのを避け、あおむけで寝るようにしてみてください。
また、矯正治療中に顎関節に痛みや違和感を感じるようになったら、担当医にお早めにご相談ください。